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ネット講座

●基礎講座からの便り vol.4


‘ネット基礎講座’番外編−@

‘問い−2’となり、応答も少しずつ増えてきました。
有り難いことです。
‘問い−(1)’が締め切った後にもいくつか応答されてきました。
その中には、「長野式治療法」・「キ−子スタイル」を学ぶ皆さんにとって色々な面で参考になることが多いので、なるべくその方々の応答も取り入れていきたいと思います。
応答された皆さんは、‘基礎講座’に参加されたことの無い方から、‘基礎’のレベルとは全く関係のない超ベテランの方まで、余りの範囲の広さと深さにこちらもどうまとめていけば良いのか戸惑っている状態です。

‘再−ダイジェスト講座’や‘新・総合講座’に参加されている皆さんは、ほとんどが既に‘基礎講座’を終了されている方であり、私の性格もご存じの長いお付き合いの方々が多いです。
ですから、新型ウイルスの影響で、講座が少々延びても、講座が開講するまで事情を斟酌下さりお待ちいただいて下さるかと思います。
しかし、‘基礎講座’に初めて申し込まれた方は、新型ウイルスの影響とはいえ一向に開講の気配がないのでは、期待感も緊張感も減少し、熱が冷めてしまうのでは…との思いで、いつになるか分かりませんが、せめて第1回が開講するまで少しでも‘基礎講座’に触れていただきたいと思い‘ネット基礎講座’を開講しました。
そのために、あくまで‘ネット基礎講座’の対象者は、初めて‘基礎講座’を受講される方、あるいは、一度‘基礎講座’を受講し復習を兼ねて学びたい方を考えていました。
嬉しい誤算です。
‘問い−(3)’からは、「長野式治療法」・「キ−子スタイル」を既に学ばれ、臨床に取り入れて治療されている方にご参加いただきたい内容になります。
そのときには、是非、応答をお願いいたします。

‘問い−2’への私からの返答を行う前に、上述した、「‘問い−(1)’が締め切った後にもいくつか応答されてきました。」の中から *ニックネーム:ふゆたさんからの応答に対して、特に‘問診票’について少しコメントしていきたいと思います。

●一つは、問診票の読み方です。
‘実技講座’が始まり、問診票を渡され、次に問診票に書かれたことに対して不足したりしている事柄に対して、更なる問診をする…と書き、それが次回の‘問い−(2)’ともなっています。
このときに、時間を区切らないと、延々20〜30分程問診を続けているペアがいることがあります。
(通常は、●自己紹介、●問診票の交換、●問診票を一読する、●問診票から更なる問診…まで約10〜15分で終了するように時間を取ります)
問診が長くなるのは、問診票のポイントが理解されていないからです。

●一つは、‘基礎講座’を終了されて間もない方の多くが、似たような考えをされる傾向についてです。
以前の回で書きましたが、毎年‘実技講座’の時に、どこからやって良いか分からず、実技モデルを前に何もせずにスタッフや私が助言のために回ってくるのを待っています。
そんなことをしていると、スタッフの‘チコちゃん’から、「ボーッとつっ立ってんじゃないよ!」と怒鳴られることになります。
これは、前述しましたが、急に多くのことを学び過ぎて頭での知識だけで理解し、その知識が並列に入力され消化不良を起こしている状態です。
ある程度臨床をこなせば、重要事項やそれぞれの項目や所見の重要度の差やポイントが身に付いてくるのですが、まだ、身体で覚えられていないので情報がフラットでメリハリがなく全てが重要と感じてしまうためです。

では、*ニックネーム:ふゆたさんからの応答に対してコメントをしていきますので、参考にしていただきたいと思います。
  ※●のある太字のゴシック体、及び、●のある文や太字のゴシック体あるいは…以下の文
   あるいは、それらと並列に書かれている文が、ふゆたさんの応答であり、
   ★コメント…以下の文が村上からの返答です。


●最初に1番引っかかった部分…ご本人を含めたご家族の病歴
●理由…あまりに深刻である
★コメント…家族歴で重要なことは、体質も含めての遺伝的疾患です。
 そして、その遺伝的疾患が患者さんに、特に、主訴や随伴症状に関係があるか否かです。
 この患者さんの場合、確かに親やその直系がガンやパーキンソン、アルツハイマーに罹患しており、それらの病気は深刻ではありますが、現在の患者さんには、直接関係がありません。
 ガンでも、乳ガンなどは遺伝的要素が強い場合があり、患者さんの母親、母方の祖母が乳ガンの場合は、チェックしておかなければなりません。
 そして、この患者さんのように右側ばかりに症状がある場合には、家族歴に仮に乳ガンがあれば、後に、右側に乳ガンが発症する危険性が考えられ、リンパなどの所見を取り改善させていかなければなりませんが、例え家族歴に乳ガンがあっても患者さんの主訴改善には、それは頭の隅に置いておくべき問題で、今すぐに処置しなければならない事柄ではありません。
 (ただし、所見はきちんと取っておきます。そして、今回の原因として考えているバックグラウンドの治療をし右側の主訴が改善したときに、右側の乳ガンに関係するリンパ所見が改善すれば、この患者さんは、このバックグラウンドによって、乳ガンが発症する危険性が出てきます…。もし、特に「キ−子スタイル」の考え方による鍼灸治療を受けなければ…です)
 家族歴でチェックしておくポイントは、この場合、祖父の肝硬変と父の消化器系のガン(酒飲み?)でしょうか?
●その他、私が気になった点…
1.主訴は、“右”半身全体の愁訴…

●局所ではなく、全体的である
★コメント…これは‘右側’という局所的な症状と考えた方が良いと思われます。
 局所から全体に及ぼすことは多くありますが、最初から全体的と考えると、「何で右だけに?」という考えとはやや矛盾するように思われます。
‘全体的’をどのように捉えるかで、考え方が変わってきますが、‘五臓’が原因などは全体的のなるのかと思います。
●“ゆがみ” を形成するのでは?
★コメント…これこそが、局所からのバックグラウンド→右側に症状が集中→‘ゆがみ’という全身症状…ということになっていくのかと思います。
2.現病歴から、「子供の頃から肩こりがひどく、」…
●症病歴が長いということは難治性か?
★コメント…‘病歴が長い’ということと‘難治性’ということは余り関係がありません。
 私達の患者さんの多くは、先に医療機関(西洋医学)に行かれ、そこで特に検査では異常がない…と言われている、あるいは、なかなか良くならないなどの場合です。
 これは、西洋医学から診ての問題であって、東洋医学的に診ればまた別の問題が出てきます…というより、だから私達鍼灸師の存在価値があるのです。
 病歴が長かったのは、長い間東洋医学的見地からの診断がされていなかったからということもあります。
 例えば、不妊の原因が虫垂炎の手術ということがありますが、このような考えは西洋医学ではそのような見方をしないからです。
 ですから、《 長野式研究会 & w-key net 》の講座では、その様な見方を学んでいくということになります。
●「30歳代の頃は…ウツ傾向も…メンタル的には、高ストレス状態と診断され…」
  → 精神性もあり複雑か?
★コメント…精神性もあり複雑か、というより、精神的なことがあるからといって複雑とは限りませんし、20歳頃から右側全体の硬直が既にあり、30歳代になりウツ的症状ということは、症状が治らないから精神的に参ってきたということや、治らないであれこれ訴えると、医師は、精神的なものとして処理する傾向があります。
神奈川県立精神医療センターに勤務していたときに、その様な患者さんを何人か診たことがあります。
(当然、問診では、ストレスの原因は聞いていますが、この方は、他に原因があるのでは?と最初に考えていたために、それほど詳しくは聞いていません。ストレスは、右側の愁訴と関係があるのでは?と思っていたからです。そして前回お話ししましたように、‘気’は‘左’です)
それから、もう一つ考えられるのは、橋本病です。
甲状腺機能低下では、ウツ的傾向がよく見られます。
(この様な西洋医学的知識は、学校でも学びましたが、常日頃このような知識を取り入れておくことが重要です)
3.既往歴から、「片側の扁桃腺肥大」…『扁桃』所見
★コメント…もちろん問診票から扁桃所見が有るとみるのが当然ですが、それよりも‘片側’が気になりませんか?
 このように、‘ちょっとおかしい?’、‘普通じゃない!’と感じるセンスが必要です。
 刑事物の特徴は、他の人が見逃してしまった何気ない物事を、‘おかしい?’と感じて、それが事件の解決の糸口になるパターンが多いと思いませんか。
‘相棒’‘科捜研の女’…は、そのような展開がよく見られます…というより、そこから始まる感じです。
その他の既往歴…
●橋本病(現在は服薬せず) → 下垂体に異常ありか?―『内分泌』
              薬の肝臓への影響は?―『肝実』
★コメント…橋本病=下垂体の異常…は、少し早計かと思います。
 甲状腺疾患は、これだけで一項目できるだけの量があります。
 むしろ、橋本病によって不妊になったのだろうと考えた方が良いかと思います。
 不妊治療の時には、真っ先に甲状腺の所見を取ります。
 薬の肝臓への影響は…は、右側の症状が主訴なので、これは考慮に入れるべきものですが、『肝実』であることより(‘肝実’なのはもちろんです)、‘薬’と考えたときには‘解毒’と想像を巡らすと良いと思います。
●「出生時は仮死状態(呼吸無し)→ 出生時が難事 −『?血』
黄疸を止めるための筋肉注射の跡 → 黄疸は“胆嚢”に関係あり?
が、右ももに残っています → “キズ”所見か? −『傷治療』
★コメント…出生時に難事…とありますが、次の『膏肓』が出生時の異常に関係があります。
 松本先生は、著書の中で‘Birth Trauma’(出産の異常)について書かれていますし、‘オ血’が発生することもですが、それを上回る‘Birth Trauma’に着目することが重要と思います。
 黄疸は、胆嚢というより‘肝’と診る方が良いかと思います。
もちろん、‘胆’の反応は診ます。
 右ももに残っています…は、“キズ”所見か?…といいうより傷所見そのものでしょう。
これが重要なテーマになってきます。
前回の‘ソムリエ’さんは、筋肉注射の跡を最初に指摘しています。
また、やはり‘問い−@’に間に合わなかった方の一人の‘のぶ’さんも、
「出生児の右足の筋肉注射が肝にダメージ、毒となり、小児からの諸症状になったのでは。しかも現在も注射痕が残っているのが通常ではないなとも思います。」と書かれています。
このお二人共、何度か‘基礎講座’に参加され、「キ−子スタイル」の感覚をお持ちです。
この感覚が、私が皆さんに感じて欲しいと思っている一つです。
4.家族歴から、大病を患われている人が多い…“因縁”は関係ないだろうか?−『膏肓』
★コメント…上述したように、家族歴は、患者さんの主訴や症状などに関係があるか否かで判断すると良いでしょう。
ガンなどの大病から、‘因縁’までは少々飛躍し過ぎかと思います。
ただ、‘因縁’という事に対しては、長野先生が「風市」といわれています。
(今回は、これが関係してきます…)
また、ガンは、乳ガンのように遺伝性の強い場合は考慮に入れた方が良いですが、現代のように、二人に一人はガンに罹患すると言われる状況では、脇に置いておいても良いかと思います。
ただ、私の経験では、「この家系は、ガンになり易いのでは…」というのはありますが、特に同じような種類のガンが代々続くというのは、それほど多くないのでは?と感じます。
5.血圧・貧血から、「血圧…93〜103?/60前後」
  → 低血圧の人は治りにくい − 『心臓血管促進』
★コメント…これは頭の隅に置いておくパターン化と思います。
 特に、低血圧と貧血が原因ということも考えにくいですし、それらが主訴や症状を悪化させたことは否めないですが、最初から考えるべき要因ではありません。
ただ、処置で選穴する場合、これらの関係がある経穴を使用できるならば優先的に使用する…ということもあります。
これらが直接の原因ではない場合は、中々症状が改善されない場合に次策として使用することが多いです。
6.一般的な健康診断:γ−GTPと中性脂肪が悪くなることがある。軽い脂肪肝
           → 肝への影響 ― 『肝実』
            嗜好品から、お酒の量と回数は多めか      
★コメント…最初から‘肝実’と決めつけないで、‘肝’所見はよく見ておこう…くらいの気持ちで良いかと思います。
 それこそ、「肝への影響」と思っていると良いかと思います。
 ただ、結果的に‘肝実’ではありますが、脂肪肝や飲酒、薬などで治療法が異なることがありますので、余り強く決めつけない方が良いと思います。
 この辺は、上手く言えないのですが、様々な要素が絡んでくることが多いので、重要だけれどもそこに重きを置かない…とでもいえばよいのでしょうか。
もちろん、この方はお酒は多めか?などの程度ではないでしょう。
‘呑兵衛’です!!
 この方の主訴から言えば、飲酒は制限しなければと思いますが、果たして、どこまで従って下さるでしょうか?
◇ 特に、気になった点
1. 主訴が“右半分”である
★コメント…
今までに、「○△→‘肝実’、あるいは、肝臓への影響…」というパターンがいくつか出てきましたが、主訴が“右半分”ということから、考え方を逆にして、「‘肝’に関係がありそう…」と推測し、問診票のなかで‘肝’に関係のある事柄を探していき推測を補強していくという方向から進めると良いかと思います。
慣れてくると、‘右側’は最初から‘肝’を容疑者の一人として疑うパターンとして推測するようになります。
しかし、逆に、一つ一つの可能性を考えていったら、共通項として‘肝’が浮かび上がってきた…という場合もあります。
問診に余りにも時間をかけると治療時間が不足する場合もありますので、やはり、ポイントやバックグラウンドを早く見抜く技量が必要となります。
それには、やっぱり詰まるところ目的意識を持った日々の臨床ということになるかと思います。
2. “橋本病”
★コメント…
橋本病に目がいくことはとても良いのですが、その根拠をしっかりと捉えることが需要です。
橋本病に罹患した…という事もありますが、なぜ、橋本病になったのか?という視点も必要です。
これも後で触れますが、色々なところに関係が出てきます。
この当たりは、更に深く学ぶことが必要になります。
(‘再-ダイジェスト講座’が補ってくれます…ちょっと宣伝!!)
3. 出産が難産
★コメント…
これも後で触れますが、‘Birth Trauma’に言及している鍼灸治療は、岐子先生の最も得意とされるところであり、独壇場ではないでしょうか。
単に‘難産’だけではないのですゾ!
4. 家族の方に大病の方が多い
先に述べましたように、その大病が現在の患者の症状に関係があるか否かが問題です。
家族歴に大病の方がおられても、元気で長寿の方もおられます。

*ニックネーム:ふゆた さんは、昨年‘基礎講座’を終了されたばかりですが、色々な知識が入っているために、最初に述べましたように、それらの知識が整理できていない感じかと思います。
ですから、それらの知識を、どこに重点を置くべきか、視点をどこに集中させるべきかなどの重要度の差としてメリハリが不足しているのかと思います。
スルーしても良い…とは言えませんが、これは今はそれ程重要でないナ?と頭の隅に休ませておき、お呼びがかかったらすぐに出動!というように捉えておけば良いのではと思います。
「長野式治療法」・「キ−子スタイル」の特徴に、最初の治療方針ではうまくいかないときに、すぐに方向転換できるということがあります。
そんなときに、頭の隅にお休みしていた問診票の小さな条項が頭の隅でキラッと閃き、大活躍!ということもあります。

現状では、知識の詰め込みで結構ですが、そのうち徐々に「処置法は覚えて忘れなさい!」…というようなことがお分かりになって来ると思います。
そんな感覚を‘基礎講座’が開講し様々な知識を覚えていくと共に、‘実技講座’の頃には‘ネット基礎講座’の効果が現れてくるようになっていたら、望外の喜びです。
そして、その後、‘スキルアップ講座’で除々に学ぶ講座も用意してあります。(これもちょっと宣伝!!)
まだ、「長野式治療法」・「キ−子スタイル」の臨床も少ないために、以前から取り入れている治療法の考え方が強く出ていたり、臨床を重ねて知ることも多々あります。
逆に、知識が深すぎたり、多くの臨床経験があると、例外のような症例にもぶつかる機会も多く、深読みしてしまうこともあります。
それも、また楽し!!です。

 ※まだまだ様々な状況が考えられますが、余り深追いすると基礎を学ばれる方が分かり難くなりますので、このレベルまでにしておきます。
  後は、各講座などで少しずつレベルアップを目指し学んで下さい。

*ニックネーム:ふゆた さんの了解を得まして色々とコメントさせていただき、時には厳しいことも書かせていただきましたが、ふゆたさんの内容は、基礎的な学びをされた方によく見られるもので、最初からこの様なことをお話しできるのも‘ネット基礎講座’ならではと思います。
これらのコメントを参考にされて、これから臨床を重ね、少しずつ贅肉をそぎ落としていかれれば、更により良い臨床となるのではないでしょうか。
ふゆたさん、頑張ってください!!!

ふゆたさん、ご協力を感謝します。
また、宜しくお願いいたします。


今回は、まとめるのに少々時間がかかり、アップが遅くなってしまいました。
ご容赦下さい。



立てばシャクヤク…、自然はコロナ騒動にもどこ吹く風。
自分の立ち位置をしっかり保ち、自分を表現しています




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