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長野式研究会




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ネット講座

●基礎講座からの便り vol.3


‘ネット基礎講座’   ‘問い’から考える−(1)

初めての‘ネット基礎講座’に、‘問い’かけをしましたが、果たして応答があるのかヒヤヒヤしていました。
当日の夜遅くになって2つの応答があったときには、心底からホッとしました。

長野潔先生が長年の自らの脉診についての集大成として『医道の日本誌』に‘脉状私見’を投稿され、その原稿が掲載されました。
長野先生は、全国から脉診に興味のある方や脉診に一家言ある大家などから賛同やら反論、問い合わせ、質問などが数多く寄せられてくることを期待し、郵便屋さんの音がするとポストに駆け寄って行かれたそうです。
掲載後、一日目。全く返答無し。先生は、原稿を読むのにしばらくかかるかも知れないし、遠方からの返答でしたら、もう少し遅れるかも知れない…と思われ、今か今かと心待ちにしながらしばらくの間様子をみられていました。
しかし、何日経っても、一ヶ月経っても…全く反応はありませんでした。
先生は、「私の治療は、誰からも受け入れられない、認められないのだ…」と失望し、以後、何度も原稿を送られた『医道の日本誌』に投稿することを断念されました。
…それから十数年後、長野先生の元に、『医道の日本誌』のバックナンバーを読み、先生の原稿に興味を持たれた、アメリカから目つきの鋭い精悍な女性が訪れ、この女性によって長野潔先生が脚光を浴びることになります。
(下線部は、長野潔先生が私に実際に語られたことで、私の言葉ではありません。念のため!
このときには、視力はまだほんの少しの狭い範囲で、おぼろげながら認識できたそうです)
ちょっとレベルは違いすぎますが、応答を待つ間、こんなことを思い出しました。
私も、「返答来てるかなー?!」と思いつつ何度もメールを開きました…余談。

そして、私の願っていた応答でしたので、これも嬉しい!!

問い−1:あなたが最初に一番引っかかった部分はどこですか?
     その理由もお書き下さい。


*ニックネーム:けんたろう
問い−1:
症状がすべて右側であること。
理 由:すべて右側に症状がでているため、血に関する問題がメインかと推測される。
また、小児の頃の片側の扁桃肥大がベースにあるかと思われる。

*ニックネーム:化け猫
問い−1:
いろいろ考えられますが、最初に一番引っ掛かった部分は、右側に症状が集約されている点です。
理 由:肝にまつわる既往もあり、多飲しているという問診結果もあるからです。
(「一番に」ではありませんが、右仙腸関節痛は、肝臓の疲弊による下垂もあるのでは、と考えます)

*ニックネーム:ソムリエ
問い−1:
主訴が全て右である事
理 由:@右に主訴が集中し、出生間もない筋肉注射の跡が右ももにあるので、関連が気になる
出生時の黄疸・脂肪肝と言われた事・不妊治療などから肝との関連が気になる
A扁桃腺肥大・橋本病も気になります
B筋肉注射の跡に痛みなどあれば、そこから所見の変化を見るのでしょうか?
C甲状腺や骨粗しょう症があるので腎虚も見ていくのでしょうか?
※@〜Cは何れ他で触れますので保留しておきます。


【村上からの‘返答’】
これが正解というのではなく、村上が指導するならこの様に教えるでしょう…、あるいは、村上の考えの流れはこんな風です…、‘基礎講座’で学ぶに当たって、村上は参加者の皆さんにこのように理解していただくのを目標にしている…etc、という思いをお伝えしたいということで、‘返答’といたしました。

〔村上が最初に一番引っかかった部分〕
‘子供の頃から肩こりがひどく、高校から鍼治療がかかせなかったため、いつからかは不明ですが、20歳頃から右側全体が硬直していました。’
という部分です。

けんたろうさん、ソムリエさん、化け猫さん共に、一番引っかかった部分は、「症状が全て右側である」ということです。
(わたしは、この応答を期待していました…、そして、そうなりました…、嬉しいです!
もし、最初から私と同じものでしたら、後の説明文が相当部分いらなくなってしまうからです。
これも、ヒヤヒヤしていました)
問診票の書き出しも、最初に〈主訴〉があり、最も目に付きますし当然のことです。
そして、何よりもこの主訴を改善、あるいは、消失させなければ患者さんは再び治療院を訪れてはくれません。
しかし、同時に、「なぜ‘右’だけ?」という疑問もすぐに浮かぶと思います。
ですから、頭の中では、「症状が全て右側である」ということより、「なぜ‘右’だけ?」という方の引っかかりのウエイトが相当重くなってきます。
私の頭の中では、「症状が全て右側である」ということから、すぐに「なぜ‘右’だけ?」の探索が始まります。
(一つぐらい‘左’があってもいいではないですか。それが無い! それがこの症例の興味をそそるところです)
そして、探索のターゲットが上記の部分となります。
私がこの部分に引っかかったのが、お分かりになりましたでしょうか。

(問診票に書かれている順序として、主訴は最初なのでそれに引っかかったと判断したのかも知れません。私の問い方が悪かったのかと思います)

問診票は、特に広く大きな問題提起をしている事柄に注目していくことが大切です。
もちろん、全ての愁訴が右側というのは非常に重要ですが、右側に発症したその理由の方がより重要であると考えた方が自然と思います。
これが、実際の‘第1回 基礎講座’で皆さんに学んでいただきたい項目の一つです。
つまり、「なぜ‘右’だけ?」という根本原因…‘バックグラウンド’ということです。
ここで広く捉えておかないと、個々の症状に目がいって、@半身の硬直の理由と治療は?、A…以下同じ…という枝葉末節に問題がすり替わってしまいます。

そこで、私の引っかかった部分は、
●「子供の頃から肩こりがひどく」…子供の頃に肩こりがするなんて…おかしい?!!!
(?!!!の感じは、?=おかしいでしょ…と提言し、!!!=おかしいでしょ…と強く肯定の気持ちが込められています)
●「20歳頃から右側全体が硬直していた」…これから、「右側がおかしくなったのは、20歳前から」と分かりますし、「肩こりがひどく」ということから、右側がおかしくなったのは、「それ以前、それも子供の頃から…?」と考えられないでしょうか。
恐らく、主訴はどれが最初か分かりませんが、@〜Fの範囲のいずれかに、少しずつ広がっていったと考えるのが妥当と思われます。
では、@〜Fまでに広がっていった扇子の要となる‘バックグラウンド’は何?
それに対する答えの見つけ方を以下に述べます。

#‘第1回 基礎講座’で皆さんに学んでいただきたい次の項目
   ●古い病、●深い臓器、●下の臓器
‡ 赤字は、超!重要事項

この言葉は、松本岐子先生が言われた言葉で、問診票の捉え方や治療方針に対しての非常に重要な考え方の一つです。
ベテランになってはもちろん必要なことですが、初心者のときにこのことをしっかり覚えておくと治療に当たっての方向性がブレなくなってきます。

‘基礎講座’が終了し、‘プレ実技講座’を経て、いよいよ‘実技講座’になります。
‘実技講座’は、2人がペアとなり、患者と施術者に別れて、実際の臨床と同じように行う講座です。
‘基礎講座’で座学が多いので仕方がないですが、溢れんばかりの知識がかえって邪魔になり、患者さんをどのように捉えどこから治療していいのか、ペアとなった患者モデルを前に、しばしたたずんでいる参加者がいます…というより、ほとんどがそのような状態です。
そして、スタッフや私が助言のために回ってくるのを待っています。
‘基礎講座’で、繰り返しお伝えしたこの項目が、患者モデルの主訴や随伴症状に目を取られ、それに多量の処置法に妨げられて頭の隅にもあがってきません。
そして、ここぞとばかりに「●古い病、●深い臓器、●下の臓器って言ったでしょう!そこから探せばやらなければならないことが見えてくるでしょう!」とドヤ顔の私!!
‘基礎講座’の最初に、「処置法は覚えたら忘れなさい…」ということも繰り返しお伝えします。
やはり、参加者の頭の中は、この病気には○△、この症状には◇▽…という枝葉のことを覚えることに必死で、大本の太い根っこには思いがなかなかいきません。

(もちろん、この病気には○△、この症状には◇▽…ということも大変重要ですが、それを生かすには、太い根っこがより重要になります。処置法を忘れなさい…というより、処置法を出しゃばらせるナ!…ということです。例えば、この症例の場合、少し「長野式治療法」をかじった人は、すぐに…対側の「丘キョ」・「上四涜」の筋緊張緩和処置《これらの処置法は、実際の‘基礎講座’で学びます》を行います…と考えます。これが「処置法は忘れなさい」ということであり、「筋緊張緩和処置よ、ちょっと引っ込んでろ!!」と怒鳴りたくなるのです〈ちょっとはしたない〉)
クドクドと書きましたが、私が重要とするこの様な考え方は、なかなかノートには書き込んでくれません。この様な場合なので、私が書き込んでおきます。そして「処置法は覚えたら忘れなさい…」も頭の隅にスタンバイさせておいて下さい)

この「キ−子スタイル」の治療格言(と言ってよいか分かりませんが、私はこう捉えています)の意味を解説します。
●古い病…病気や症状の原因を考えるときに、時系列が重要ということです。
主訴が頭痛の場合の既往歴に、20歳の時に交通事故にあった…が書かれていたとします。
頭痛の発症が18歳からでしたら、この交通事故は頭痛に関係がないと考えられますが、25歳からでしたら、頭痛の原因に交通事故の可能性を入れておかなければなりません。
(以後、ここに書かれていることは、必ず例外があるということを覚えておいて下さい。例えば、この例では、18歳からの頭痛は、交通事故は直接は関係なくても、愁訴の改善を妨げる要因になる可能性もあるので、関係がないとは言い切れないことがあります。また、20歳の交通事故が原因でも、すぐに発症するとは限らず、数年、いや、数十年経って発症することは稀ではありません。詳細は、実際の‘基礎講座’で…乞う、ご期待!!)
あるいは、より若い頃の病気は事故が後の病気や症状に関係があることが多くありますので、時系列的にチェックしていくことが重要です。
●深い臓器…浅い所にある臓器より、深い所にある臓器の方が影響が大きいということです。
臓器というより臓腑といった方が良いかも知れません。
‘臓’の方が深く、‘腑’の方が浅くなります。
‘肝’の病と‘胃’の病があったら、まず‘肝’の治療を先に行います。
●下の臓器…位置的に、上方にある臓器より、下方にある臓器の方が影響が大きいということです。
‘肝’の病と‘腎’の病があったら、位置的に‘肝’よりも‘腎’の方が下にあります。
‘肝’の病と‘腎’の病があったら、まず‘腎’の治療を先に行います。
◇深い臓器と下の臓器…この深い臓器と下の臓器の合わさったものが‘腎’です。
ですから、‘腎’の所見があったら、他に何が有ろうとも、先ず‘腎’の治療をしなさということになります。(例外はありますからネ!)
分かりましたか?…納得されましたか?…ガッテンしましたか?…

以上のことを、ヨーク覚えて置いて下さい。

次に‘理由’に進みます。
●通常、右側に症状が偏っているときは、けんたろうさんの‘血’の病があります。
「左は‘気’、右は‘血’」と言われます。
(‘基礎講座’を学ぶ方は、覚えて下さい。これから覚える必須事項は[必須]と附記しておきます)
‘血’に関することで考えられるのは、貧血、早い閉経(42歳は少々早いです)、どこまでを範囲に入れられるかですが不妊治療…でしょうか。
この様な方には、‘オ血’が必発と考えられますが、所見を診ていないので、まだ、推測の域です。
●次に‘肝’の病です。(右側の病のときに頭に入れておくこと)
これは、ソムリエさんの書かれている…出生時の黄疸・脂肪肝・不妊治療(ホルモン剤の薬物治療[必須])、それに化け猫さんの…多飲(お酒の種類も豊富、量と飲む日数も相当なもの)、影響は有りそうですね!

よく刑事ドラマで主役の刑事がフト漏らす言葉に「犯人(ホシ)と被害者の関係がイマイチ結びつかない(あるいは、結びつきが弱い)」があります。
上記何れにしても犯人と被害者の関係がイマイチ?ではないでしょうか。
そして、更に右、右、右…と脳が求めていきます。
一応、どうやら右の主訴が発症した最初は、20歳前、それも、子供の頃…と考えると、上述した「右は‘血’」は、子供の頃に‘血の病’?…とは考え難いのではないでしょうか。
あるいは、子供の頃に‘血の病’と考えられることは何?…考えようとすると無いことはないのですが…。
「‘肝’の病は右」はどうでしょう。
出生時の黄疸・脂肪肝・不妊治療・多量の飲酒が挙げられましたが、子供の頃に脂肪肝・不妊治療・多量の飲酒はないでしょう。
残ったのは、‘黄疸’。
これは関係ないとは言い切れない…?

もう一つ、右だけとは限りませんが、●同側ばかりに関係のある場合は、同側に何かがあった…という場合があります。
(この3つの●も覚えておいて下さい[必須]
右の主訴が発症した最初は、20歳前、それも、子供の頃…と考える……、ありましたねー!!!
そして、ここで上述した需要事項、…古い病・深い臓器・下の臓器…を思い出して頂きます。
そうです! 古い病 です!
次回までに考えておいて下さい。

ちょっと長くなりました。
今回はここまでにして、これから先は、次回、あるいは、次々回に回しましょう。

問診票の重要性がお分かりになりましたでしょうか?
問診票で、ここまで推測し、バックグラウンドに迫れるのです。
名探偵コナン、古畑任三郎、明智小五郎、シャーロックホームズ、金田一耕助…なみの推理力が必要となってきます。
目先の症状や愁訴ではなく、より深く考えなければなりません。
何度も繰り返しますが、○△の症状の治療穴は◇▽…などということより、もっと重要なことがあることに気付かれたでしょうか。

新型ウイルスが収束し、‘基礎講座’が開講するまで、このような感じでこれから‘ネット基礎講座’を進めていきたいと思います。
‘問い’の応答だけではなく、質問、ご要望などありましたら遠慮無くこちらもお送り下さい。
少しでも多くの応答や質問などがありますと、こちらも、それらに関して広く様々な返答ができますし、内容も豊かになってきます。
初めて「長野式治療法」・「キ−子スタイル」に触れられる方も、ご自身の思う返答や素朴な質問やご要望、その他何でも結構ですのでどんどん送信下さい。
賞金や賞品は出ませんが、脳が「長野式治療法」・「キ−子スタイル」に徐々に変化し、将来に亘って自ら豊かな賞金・賞品を手に入れることが出来ます!!

少々横道にずれているところもありますが、まだ見ぬ皆さんのお顔を想像しながら、バーチャル講座で目の前の皆さんにお伝えしているつもりで書いています。
つまらん所は飛ばしても結構ですが、私としては、ポイントとなることは、これからの講座にとって、臨床にとって、皆さんが現在考えている以上に非常に重要なことが含まれています。
よく咀嚼しながら内容を吟味し、理解していただければ嬉しいです。

まだ、途中の始めたばかりの部分ですが、これらを学ぶと、学んで良かった「キ−子スタイル」と思いませんか!!!
(今回は、「キ−子スタイル」が相当入っています)
早く実際の‘基礎講座’を学びたくなりませんか?…(自画自賛!自己満足!))

さて、次回の‘問い’です。
初診の患者さんとは、自己紹介の後、今回のようにまず問診票を見せていただき、読み取れることからできる限り推測していきます。
問診票に関しては、患者さんの問診内容の受け取り方とこちらが要求していることとは異なることが多々あります。
患者さんが何とも思われていないことも、我々には、非常に重要なことがあります。
例えば、主訴に‘肩こり’と書かれていても、右か左かでは意味が全く異なります。
また、「肩井」付近とそのやや後とでは、診断やバックグラウンドなどが異なり、従って治療法も別になってきます。
ですから、問診票には書かれていなくても、その問診票からこちらから更に聞きたいことが出てきます。
まだ所見は全く取っていない状況で、お考え下さい。(問診票だけのやりとりです)

問い−2:この問診票に対して、更に聞きたいことがありますか?
     もしあるときには、その内容を、そして、理由があればそれもお書き下さい。


(これからも、私の実際の臨床や‘実技講座’でも行われているのと同じように進んでいきます)


以下は、前回とこれからも同様です。
出来ればお名前を書いていただきたいと思いますが、ニックネームでも結構です。
アップするときには匿名で、ニックネームを附記しておきますので、ニックネームもご記入下さい。

応答に使用するアドレスは、いつも使われているものではなく以下をご使用下さい。
  naganost は同じですが、 @ マーク以下の
msc.biglobe.ne.jp を w-key.jp と換えて送信下さい。



素敵な日本、そして、素敵な「キ−子スタイル」




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